形成外科で扱う疾患


異物肉芽腫

1. 概念

肉芽腫とは、慢性的な炎症に基づいて生じる腫瘤です。種々の原因による慢性的な炎症によって、炎症細胞や線維芽細胞が集積し、毛細血管に富んだ線維からなる腫瘤が生じます。異物肉芽腫とは体内に長時間分解されずに存在する異物が慢性炎症の原因となり、肉芽腫を生じたもので、異物には外傷に由来する砂や石、木片など、また外科手術に由来する種々の生体内埋入材料によるもの、そして美容外科手術で充填目的に使われる異物による場合などが考えられます。

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2. 診断

異物が皮膚の浅いところにある場合は、潰瘍を生じながら肉芽腫が増大することがあり、肉眼的でも腫瘤を確認できる場合が多く、早期に発見されます。皮膚の深いところもしくは皮下にある場合は、肉眼では確認できず、弾性硬の腫瘤を触知するのみの場合もあり、長時間放置されることが多く、注意を要します。画像診断では、超音波、単純X線写真、CT、MRIなどが有用です。小児に多い木片異物の場合は、単純X線写真では確認できないことが多く、超音波診断、CTやMRIが必須であるため、細心の注意を要します。

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3. 治療

異物および、肉芽腫の摘出が原則です。異物が取り除かれないと、肉芽腫のみを摘出しても炎症が継続し、再び増大してくる可能性があります。ただし、不適切な美容外科手術に基づく非吸収性の注入異物などでは、整容的観点から異物を完全に摘出できない場合が多く、減量手術のみとせざるを得ない場合があります。また、炎症を減弱させるため、主としてステロイドの注入および、広範な場合はステロイドの静脈内投与が行われます。しかし、ステロイドの長期投与は毛細血管拡張をはじめとして種々の合併症を生じる可能性があるため、注意を要します。

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4. 合併症

異物肉芽腫と癌の発生に関しては明確な因果関係は証明されていませんが、異物肉芽腫が長期間存在し、潰瘍化を繰り返す場合は、癌発生を促す可能性も否定できないため、できるだけ早期の異物摘出が望まれます。その他、異物肉芽腫の部位によっては、呼吸困難や視野の異常などの重篤な障害を呈することもあり、小さい内にできる限り異物および異物肉芽腫を摘出することが好ましいです。

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