形成外科で扱う疾患


粉瘤

1. 粉瘤(アテローマ)とは

体中の何処にでも出来る良性の皮下腫瘍です。多くは背中や項、顔の頬や耳たぶなどにできて、俗に『脂肪の固まり』などといわれています。半球状の固まりとして触れ、真ん中にやや黒っぽい開口部が見られることもあります。皮膚に密着して周りより硬く触れます。

発生の原因は、判らない場合が多いのですが打撲や外傷などの後に起こることやニキビ痕にできることもあります。皮膚の上皮成分(表皮や外毛根鞘)が皮内や皮下に落ちて袋を形成し、その中に粥状をした垢や脂が貯まってできた固まりです。

あまり大きくならず自然に無くなることもあります。しかし、多くは放っておくと徐々に大きくなり野球のボールほどになることもあります。時には細菌感染を起こして急にその大きさを増し、赤く腫れて痛みを伴い『おでき』と間違われます。皮膚が破けると膿汁と臭い粥状の固まりを排出します。赤く腫れているときに膿を出そうとして無理に圧迫すると、袋が破れて脂肪織内に散らばり膿皮症という状態になる場合があり慢性化することもあります。無理に圧迫し内容物を排出することは避けて早めに医師に相談し薬の服用と処置を受けてください。

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2. 鑑別診断を要するモノ

石灰化上皮腫

やや黒っぽく粉瘤よりも固い

脂肪腫

化膿することはなく皮膚との癒着は少ない

ガングリオン

四肢など関節や筋の上に出来て穿刺すればゼリー状の液が貯留

脂腺嚢腫症

遺伝性でごく稀ですが少し黄色っぽく青年期以後の男性に多い

類皮嚢腫(デルモイドシスト)

胎生期の遺残物で目や鼻の周りなどの骨縫合部などに出来やすく、中に黄色の液体と毛など貯留

耳前瘻孔

耳の周囲の炎症性粉瘤と間違えやすい(その他の先天異常(耳瘻孔)の項参照

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3. 治療法

感染のない場合は手術的に摘出します。腫瘍の直径の1~2倍の長さで開口部を含めて紡錘形に皮膚切開をして内容物を袋ごと摘出し、皮膚縫合した後の傷をシワに沿わしたり、くさび形に切除したりして出来る瘢痕を目立たなくします。時には顔面の場合など傷をより綺麗にするために、開口部の皮膚と内壁をくり抜いて内容物を排出した後に嚢腫壁を摘出すると、腫瘍の大きさに比べて傷が小さく目立たなくできます。

感染のある場合、それが軽い場合は、抗生剤や抗炎症剤の投与で鎮静化させてから摘出します。感染が高度の場合は、一度、切開・排膿して開放治療(軟膏治療)を行い、傷が落ち着いた後、期間を置いて摘出します。しかし、感染のない場合に比べて治療期間が長くなり、キズ跡も劣ります。

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