形成外科で扱う疾患


単純性血管腫

1. 疾患の解説

単純性血管腫はポートワイン血管腫とも呼ばれ、真皮の毛細血管の局所異常で、通常皮膚の膨隆を伴わず明瞭な境界線があり、均一の紅斑を呈します。色は明るいピンク色から濃い紫色まであります。その血管腫の主病変が真皮のどこに位置するかで、浅在性、深在性、びまん型に分類されます。発症は生下時よりみられ自然消退しませんが、皮膚の厚さが加齢に伴って厚くなるため褪色する場合もあります。しかし反対に色が濃くなったり、腫瘤を形成する場合もあります。発生の頻度は、男性より女性に多く、好発部位は顔面と頸部ですが、四肢にも比較的多く見られます。

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2. 治療法

単純性血管腫は日常診察上もっとも多くみられる先天性血管腫病変の1つで、顔面などの露出部に発生したものは整容上大きな問題となります。治療としては現在では色素レーザー治療が第一選択となっています。レーザー照射時の痛みは、成人や照射時間を数分に限れば小児でも無麻酔治療が可能ですが、通常7%リドカイン軟膏による局所麻酔下に行います。大きな血管腫面積を持つ乳幼児、病変が眼瞼部の近くにある場合には、照射の確実性や安全性、治療時間や期間の短縮が得られるため、全身麻酔下での治療を行います。レーザー照射部位は、照射直後には灰青色を呈しますが、24時間後には黒色となります。この状態は約1週間続きますが、その後暗赤色となります。1週間以内に上皮化します。照射後2週目より血管腫の赤色調が除々に消退を始め、この変化は照射後1~2カ月目まで継続します。レーザー治療後約1週間は、抗生剤含有ワセリン基剤軟膏を塗布し、ガーゼで被覆します。レーザー治療以外の方法では、冷凍療法、電気凝固法、放射線療法などがありますが副作用が伴うことが多く現在は行われていません。

乳幼児の単純性血管腫のレーザー治療

小範囲であれば無麻酔で治療可能です。広範囲の場合には、全身麻酔を考慮にいれて生後3ヶ月より治療を開始します。成人に比べ皮膚が薄く血管腫が浅い所に存在するため治療開始が早ければ早いほど治療回数は少なく、治療効果も優れています。小児の単純性血管腫は正常血管に比べ幼若なため、レーザー治療に反応しやすく、しかも小児のため治療面積が狭いので経済的です。両親、親族の苦痛を考えてできるだけ早期に治療を開始します。

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3. 治療により期待される結果

レーザー治療の効果は、血管腫内血管の赤血球の充満度、血管内の血流速度、そして病的血管の組織学的深度により影響を受けます。部位的には、四肢、手掌、足底部は有効率が低いようです。成人で加齢とともに、色調の変化や隆起性病変が生じたものは、治療に抵抗を示すことも多いのですが、根気強く治療を行うことにより、かなりの効果が得られます。通常3~4回のレーザー治療で効果が得られます。レーザー治療に抵抗性の腫瘤型に対しては、手術療法の併用も必要です。

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