形成外科で扱う疾患


多指症

1. 疾患の解説

手は妊娠のおよそ4週目頃からでき始めます。最初は小さな突起状のものが次第に先端が太くなり、少しずつ平たくなってきます。その後、指となる部分に細胞が集まり始め、指の水かきの部分が徐々に薄くなって、7週目には5本の指に分離します。足指も同様にして作られますが、手指より若干遅れて進行します。この指の分離の過程で何らかの問題が生じて、多指症になると考えられています。しかしながら、その原因は遺伝的な要因を含めて多くは不明な点が多く、未だ解明されていません。多指症の発生する頻度は、手では出生1000人に対して1~2人、足では出生2000人に対して1~2人程とされています。また、多指の見られる部位は、手では親指に多く、足では小指に多く見られ、それぞれ全体のおよそ90%を占めています。また、多指症は原因の発生時期や分離の程度によってその形態はさまざまです。

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2. 治療法

(1)手術の時期

早い時期の手術を希望される場合が少なくありませんが、通常手術は1歳前後で行われます。それは、まだ体が小さいうちは手指の成長も未熟なため重要な組織の正確な観察が容易でないこと、手術操作が正確に行いにくい等の理由で、ある程度の成長を待って手術が行われることになります。ただし、余剰指がイボ状で小さく、機能再建が不要な場合には早期に手術となる場合もあります。

(2)手術の目的

手と足、多指の部位によってその目的は少し異なります。手の場合は親指に多いこともあって、他の指と向かい合う機能を獲得することが最大の目的であるのに対して、足の場合では小指側に多いこともあり、機能的再建と言うより見た目の形態を整えることを目的として手術が行われることも少なくありません。

(3)手術の方法

指の機能の獲得を目的とする手の多指症手術で特に問題となりますが、一本多いのだから多い指を取ってしまえばいいじゃないかという考えは正しくありません。これは指の発生と関係しますが、指は木の芽が伸びるように生えて来るのではなく、手の先が分離してできあがるため、多指症では本来は一本になるはずの指(手では親指)がもう一カ所よけいに分離して、2本に見えていると考えるべきなのです。そのため本来一本の指に納まっているべき機能も、2本の指に分かれて存在しているという理解が重要で、手術は分離した機能を1本の指にまとめて良く使える指にするということになります。この事が手術の時期決定にも関係してくるのです。従って、実際取られる手術方法は機能分離の形によって多種多様な方法が選択されますが、基本的な考えは同じです。

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3. 治療の効果

幼少時期の手術であるために、成長に伴う変化が生じることがあります。多指症の形によって異なりますが、本来1本の指が分離することもあり若干成長に差が出たり、後に爪の変形や指の曲がりが生じる場合があります。そのため初回手術では、これらの点を考慮した手術法が選択されますが、ある程度の期間をおいて2期的に手術が行われる場合もあります。いずれにしても手の専門医のもとで適切に治療がなされれば充分に機能する指の獲得が可能です。

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