

レーザー光とは波長と位相のそろった人工光のことで、非常に高いエネルギーを有しているため、生体組織が光を吸収する際にその組織を破壊することが可能です。一方でレーザー光をあまり吸収しない組織には損傷を与えません。レーザー治療はこの原理を応用したものです。レーザーの種類ごとに各種生体組織への吸収性が異なるため、疾患によって(対象となる組織によって)使用するレーザー機器を選択する必要があります。
骨に切れ目を入れてから間を少しずつ広げていくことにより、切れ目の間に骨組織を再生させ、骨を延ばす治療方法です
先天異常や外傷などで短くなっている骨を伸ばす場合、従来は骨を切って(骨切り術)必要量まで伸ばし、生じた骨の隙間に他の部位から採取した自家骨を移植していました。この方法は、移植に必要な骨を採取しなくてはならないこと、延長できる長さに限界があること、移植した骨が吸収されやすいことなどの欠点がありました。
これに対して、1960年代にロシアのイリザロフという整形外科医が、骨に切れ目を入れてから器械を装着して毎日少しずつ引き延ばすことにより、骨を再生・延長させるという画期的な術式を考案しました。ゆっくり延長してゆくことで、骨のみならず筋肉や血管、神経なども一緒に延ばすことが可能でした。この方法は当初、整形外科領域で手足の延長に応用されましたが、1980年代の終わりから形成外科領域でも頭蓋骨や顔面骨の延長に応用されるようになりました。形成外科では下顎骨、上顎骨や頭蓋骨、手足の指の延長に対して行なわれています。
頭蓋顎顔面領域では、各種先天異常による骨形成異常や劣成長が主な対象疾患となります。小顎症、小頭症、Crouzon病やApert症候群、唇顎口蓋裂に伴う上顎の劣成長などに適応があります。
延長したい部位の骨を切り、骨延長器を装着して1-2週間後から1日に0.5-1㎜の速度で骨切りした部分を広げてゆきます。延長は自宅で、無麻酔で行なうことができます。予定の長さまで延長できたらそのまま2-3か月の間、延長した部分に骨形成ができるまで待機します。
レントゲンなどで骨形成が確認できたら、延長器を除去します。延長期間中に痛みなどの障害はほとんどありません。
骨に装着する延長器には大きく分けて内固定型と外固定型とがあります。内固定型は小さく、大部分が皮下に埋め込まれますのでほとんど目立ちませんが、骨延長終了後に抜去術が必要です。外固定型は抜去のための手術は原則的に不要ですが、装置が大きく目立つのが欠点です。