

露出部である「顔」はとてもケガを受けやすい部位です。
「顔」のケガでは皮膚・皮下組織のみならず、顔の骨格を形成する骨や、神経・涙のとおる管といった様々な機能を持つ構造物が損傷される可能性があります。
一方、「顔」は他人から見られる部位であり、機能のみならず整容的な治療も望まれます。
われわれ形成外科では、顔面という特殊部位を扱う専門家として、機能と整容性を両立した治療を目指しています。
顔面骨骨折の構造は車のボディー(バンパー)にたとえると分かりやすいと思います。
つまり、車のボディー(バンパー)は衝撃が加わった際に、その中いる搭乗者を守るために、つぶれることで衝撃を吸収する様な構造になっていますが、顔面骨も衝撃によって骨折することで衝撃を吸収し大切な脳を守る構造になっています。
そして顔面骨骨折を治療する目的も、車の修理と同様です。どのようなときにつぶれたボディーやバンパーを修理するのかと言いますと、
治療は、骨折でずれた骨を元の位置に戻し固定するために手術が行われますが、部位によって方針が若干異なります。
鼻骨のみの骨折の場合は、皮膚を切開しない手術で治療することが可能です。
噛み合わせがずれてしまっている骨折の場合は、まず上下の歯にゴムなどをかけるための金具を装着し、上下の歯の間にゴムをかけることで噛
み合わせを元の位置に誘導します。
もとの噛み合わせが回復してから、必要な場合は骨折部を固定する手術を行います。
頬骨骨折などのそれ以外の骨折の治療には、手術に際し切開が必要となることが多くなります。
切開は、創が目立たない部位に行います。
良く用いられる切開部位としては、頭髪内頭部、下まぶたの裏、下まぶたのまつ毛の下、口腔内、耳の前などで、骨折の部位によって切開をする部位が変わります。
また、骨の固定はチタンという金属でできた小さなネジとプレート(板)を用います(図2)。
最近では,吸収性素材のネジ、プレートも使われるようになっています。
手術に適切な時期と手術の方法は、骨折の部位や骨折の状態によって異なります。
各病院の形成外科にてご確認ください。ただし、部位によっては緊急に手術をおこなう必要のあるものや、1~2週間もするとずれた位置でくっついてしまい治しにくくなる骨折もあります。
受傷したら早期に形成外科を受診することをおすすめします。