疾患紹介~こんな病気を治します!


その他の先天異常(2)

頭蓋縫合早期癒合症(舟状頭、斜頭症、短頭症、尖状頭、三角頭、アペール症候群、クルーゾン症候群)

図1:正常な新生児の頭蓋骨縫合
図1:正常な新生児の頭蓋骨縫合

赤ちゃんの頭の骨には、頭蓋骨縫合といわれる骨と骨のつなぎ目がいくつかあり、そのつなぎ目から骨が成長して、脳の成長に合わせて頭の形が作られていきます(図1)

頭蓋縫合早期癒合症は、そのつなぎ目のどれか又はいくつかが早めに塞がって頭の形が変形してしまう病気です。例えば、縦のつなぎ目が早めに塞がると、頭の骨が横に成長出来ないので、縦長の頭になり舟状頭といわれる変形を生じます(図2)

つなぎ目の塞がり方で、頭が縦に短くなったり(短頭症)、額が斜めや三角になったり(斜頭症、三角頭)、上にとがったり(尖状頭)します。また、頭の変形に顔面の変形が同時に起こるもの(クルーゾン症候群:図3)や手足の変形が同時に起こるもの(アペール症候群)もあります。

頭の骨の変形は、見た目だけでなく、脳の正常な発達を妨げることもあり、適切な時期に手術を行うことが必要になります。

手術の方法には様々なものがあり、手術を受ける年齢によってもその方法は変わってきます。変形した骨を切って正常に近い形に組みかえる方法や切った骨を少しずつずらしていく方法が一般的ですが、何度か手術が必要になる場合もあります。

また、クルーゾン症候群やアペール症候群では、顔面や手足の変形についても適切な時期に手術が行われます。

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先天性眼瞼下垂

1.先天性眼瞼下垂とは

まぶたが十分に持ち上がらない状態です。一般に眼瞼下垂とは眼を開けて正面を見たときに黒目にまぶたが被さっている状態をいいます。

先天性眼瞼下垂の図
先天性眼瞼下垂の図

片側のみの場合は眼の開き方が左右で違います。また、まぶたが上がらない代わりに眉毛を上げて眼を開こうとしたり、顎を上げて物を見ようとしたりします。

2.眼瞼下垂はどうなっているのか?

眼瞼下垂の図
眼瞼下垂の図

眼瞼挙筋というまぶたを上に引き上げる筋肉が生まれつき未発達なために起こります。 これに対して後天性眼瞼下垂は、筋肉と瞼板をつなぐ腱膜が伸びてたるんだために起こるといわれています。

3.眼瞼下垂で困ること

まぶたが十分に上がらなければ、当然視野が狭くなります。また一生懸命に目を開けようとすると頭痛や肩凝りの原因にもなります。

先天性眼瞼下垂で特に問題になるのは、光を感じたり物を見る訓練をしている乳幼児期に、眼に十分な光が入らないことによって、弱視になってしまう可能性があることです。また左右差があったり、眉が上がった表情になるなど見た目の問題も生じます。

4.治療法

手術による治療を行います。

手術の方法は大きく分けて二つあり、一つは眼瞼挙筋を短縮すること(挙筋前転術)。もう一つは眉毛を動かす筋肉(前頭筋)を使って眼を開けやすくするために、筋膜や糸等でまぶたと筋肉に橋渡しを作ってやることです(筋膜移植術)。

手術の方法や時期は症状によってさまざまですので、形成外科医に相談されることをお勧めします。

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小耳症

1.小耳症とは

生まれつき耳の形が不完全な状態をいいます。単に小さいというだけではなく、形がいびつであったり、中にはほとんど耳がない場合もあります

2.小耳症はどうなっているのか

おなかの中で耳が形作られる過程で何らかの異常をきたし、未発達のままで止まってしまったことで起きます。重症なものでは耳の形だけでなく、耳の穴やもっと奥の音を感じる部分にも形成不全がみられ、場合によっては頬や下顎、顔を動かす神経にも異常がみられることがあります。(第1、第2鰓弓症候群)

3.小耳症で困ること

耳の奇形は様々なものがあり一概には言えませんが、見た目の問題、マスクやメガネがかけにくい事の他に、音を感じる部分の形成不全による聴力障害が主な問題となります。

しかし多くは片側だけであり、反対側の聴力が正常であれば特に不自由はありません。もしも両側であったり反対側にも聴力障害がある場合は補聴器が必要になります。

4.治療法

形成外科では手術で耳の形を作ったり整えたりします。聴力に関しては耳鼻科が専門ですので、共同して同時に手術を行うこともあります。

手術は最低でも2回必要で、さらに脱毛や小修正を加えます。1回目の手術では耳の形の骨組みを自分の肋軟骨を使って作り、皮膚の下に埋め込みます。

このままでは耳の形が浮き彫りになっているだけなので、埋め込んだ肋軟骨が皮膚や周囲の組織となじんだら2回目の手術行い、耳を起こします。最近では再生医療が注目されていますが、大多数の医療機関では自分の肋軟骨を使って耳の形を作っています。このため手術の時期は、成人の耳とほぼ変わらない大きさになり、身体も成長して十分な量の肋軟骨が採取できる10歳前後になります。(体格によって前後します。)

手術ではまず耳を入れるための皮膚を十分に伸ばすため、エキスパンダーという水風船のようなものを使う施設もあり、手術の方針は多少異なる場合がありますが、出来るだけ綺麗な耳を作ろうというコンセプトは変わりません。主治医とよく相談されて手術を受けてください。

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