疾患紹介~こんな病気を治します!


その他の先天異常(1)

陥没乳頭

1.陥没乳頭とは

図1:陥没乳頭図
図1:陥没乳頭図

俗に陥没乳首とも言われていますが、乳頭が表面に突出していない状態のことです。(図1:陥没乳頭図)
普段は引っ込んでいる、もしくは平らでも刺激を与えると突出してくるようなら仮性陥没乳頭と言い、刺激を与えたり指で引き出そうとしたりしても突出しないものを真性陥没乳頭と言います。

2.陥没乳頭はどうなっているのか?

乳頭の中には、赤ちゃんが母乳を吸うために、母乳を作るための組織『乳腺』から、ストローのように何本もの細い管が通っています。陥没乳頭はこの管『乳管』や周りの組織が短いため、乳頭を内側に引っ張り込んでいるのです。

3.陥没乳頭で困ること

図4
図4:赤ちゃんが
母乳を吸うときの図

陥没乳頭では見た目が不自然であるという問題もありますが、もっと重要な問題があります。まずは引っ込んでいる部分に垢がたまり、バイ菌がつきやすくなる事。もうひとつは赤ちゃんが十分にくわえる長さが足りず、上手に母乳を吸えないことです。赤ちゃんは図4のように口蓋と舌を使って母乳を吸うため、ある程度の長さが必要なわけです。

4.治療法

刺激を与えれば突出する仮性陥没乳頭の状態であれば、吸引したりマッサージしたりすることで改善することがあります。また、特に入浴中にやさしくマッサージして垢がたまらないよう清潔にすることは大切です。しかし突出してこない真性陥没乳頭であれば、手術が必要な場合があります。

特に妊娠の可能性がある方の手術では、授乳に必要な乳管を切らないように気をつけながら、周りの組織を丁寧にはがして乳頭が出るようにします。

手術が必要かどうかは形成外科医に相談されることをお勧めします。また乳頭は妊娠されるとホルモンの関係である程度発達しますが、真性陥没乳頭の場合は妊娠前に治療される事をお勧めします。

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臍突出症・臍ヘルニア

1.臍突出症・臍ヘルニアとは

臍ヘルニア写真
臍ヘルニア写真

でべそと言えば分りやすいですが、おへそが不自然に出っ張っている状態です。原因により臍突出症・臍ヘルニアに分かれますが、所謂でべそとは臍ヘルニアのことのようです。

二つの違いをごく簡単に言うと、泣いたときなど腹圧がかかると大きくなり、指で押さえたら引っ込む方が臍ヘルニア、大きさが変わらない方が臍突出症です。

2.臍突出症・臍ヘルニアはどうなっているのか

臍ヘルニア図解
臍ヘルニア図解

臍ヘルニアは本来、おへその奥にあり内臓が出てこないように押さえておく部分(臍輪)が弱いため、腸がはみ出してくることで起こります。

『ヘルニア』とは、『はみ出してしまった状態』のことであり、鼠径ヘルニアや椎間板ヘルニアがよく知られています。また、先天的なもの以外にも、妊娠や肥満などで腹圧が高くなり、臍ヘルニアを起こすこともあります。これに対して臍突出症は、臍輪は閉じているため腸ははみ出しませんが、おへその断端の皮膚や皮下の瘢痕組織が余ってしまっており、引っ込まないでいる状態です。

3.臍突出症・臍ヘルニアで困ること

臍ヘルニアでは、腸がはまり込んで腐るような事はごく稀にしか起きないとされています。また、1歳前後でほとんどの症例が自然治癒するとされていますので、残るのはほとんど見た目の問題といえます。臍突出症も見た目の問題です。

4.治療法

前述のように、臍ヘルニアはほとんどの場合自然治癒します。これは臍輪が成長とともに収縮して腸をしっかり押さえ込めるようになるからです。これを助けるためにテープなどで圧迫固定する方法も用いられますが、かえって治癒を遷延させるという報告もあり、賛否両論です。また、1歳を過ぎた頃から自然治癒傾向は低下していくとされています。

手術は自然治癒しない症例や臍輪は閉じても皮膚が余ってしまった症例に対して行われます。手術についてですが、臍ヘルニアに関しては臍輪を形成するためお腹の筋肉を縫いよせます(図3)。次に余分な皮膚や皮下組織を取り除いてくぼみを作るようにしますが、これは臍突出症の手術と同じです(図4)。

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漏斗胸

みぞおち付近を中心に凹む男性に多い先天性の胸郭変形で、肋軟骨が長いことに原因があると言われています。無症状で経過する場合がほとんどですが、高度な変形になると不整脈などを合併することがあります。機能上問題がない場合でも変形による精神発育への影響は大きく、治療を要する一つの理由になります。

治療法は金属製プレートを挿入し凹んだ部位を持ち上げる方法が普及しています。この方法は肋軟骨が柔らかい小学生から中学生ころまでの手術法です。

左右の胸に3cm程度の切開(場合によりみぞおち部分の小切開を加えます)から弯曲した金属のプレートを心臓・肺と胸骨・肋軟骨の間に挿入し回転します。プレートの支えを2年以上続けることで、成長期の柔らかい肋軟骨や胸骨が形態を整え矯正位に変化することに着目した方法です。

肺や心臓に接してプレートを挿入するわけですから細心の注意が必要で、形成外科の中でも限られた施設で行われます。

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尿道下裂

尿道下裂とは

男の子のペニス(おちんちん)の生まれつきの異常です。尿の通り道を尿道といい、通常は尿道の出口が亀頭の先端にありますが、尿道下裂の場合は、尿道の出口が亀頭先端までとどいてなくその手前に出口が開いています。そのためおしっこがまっすぐに飛ばず、立った状態での排尿が難しくなります。

また、勃起時にペニスが下向きに曲がって性行為が困難になる場合があります。

治療法
(1)手術の時期
1歳から2歳で行うのが一般的です。
(2)手術の方法と治療の効果
ペニスをまっすぐにすること、尿の出口を亀頭の先端部にもってくることにより排尿および性生活が支障なく行えることが目標です。

尿道下裂の分類シェーマ

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